アンチエージング

アンチエージング

2.アンチエージング

アンチエージングはお肌だけの問題ではありません。

図1人間の寿命が80年あるとしても(現在はそれ以上ですが・・)体内60兆個の細胞が全て80年ずっと変わらず機能しているわけではありません。(図1)







図2表皮のターンオーバーでも述べたとおり、細胞には其々寿命があって常に最新のものに置き換わっていくのです。つまり新陳代謝です。この時出来の悪い細胞が多く形成されるようになると次第に老化していくのです。
出来の悪い細胞は癌細胞のように特殊なものではなくても、少し錆びついた細胞と認識して頂けると幸いです。
この錆びつきこそ、老化の本体なのです。つまり酸化されてしまった細胞は年老いた細胞という事になります。
もうお気づきですね。アンチエージング=抗酸化なのです。(図2)




図3私たちが生きて行く為にはエネルギーを産生する必要があり、酸化は避ける事ができません。(図3)








図4酸化とは化学的には電子を奪う事であり酸素1分子に対して4個の電子を持てば安定した状態である水になります。4個未満の電子を持った状態が活性酸素と呼ばれます。活性酸素自身は何かを酸化して一刻も早く水になりたいのです。
活性酸素は正常でも体内に2%程度存在します。(図4)





図5もし活性酸素が体内から消失すると体外からの細菌や有害物質に対する抵抗力が消滅します。要は、活性酸素の過剰産生が問題になるのです。様々な食品添加物、薬剤、アルコール、煙草、紫外線、ストレスや激しい運動が原因になります。
個々の細胞の若返りこそアンチエージングの基本であり、その為には活性酸素の処理が最重要課題になります。
以前述べたレスター・パッカー博士の説く五大抗酸化物質を復習する必要があります。(図5)






図6ビタミンC・ビタミンE・CoQ10・αリポ酸・グルタチオン絶対に覚えて欲しい5つの成分です。
抗酸化物質として多くのものが推奨されていますが、学会が認めた由緒正しき5種こそ真の抗酸化物質と呼ぶにふさわしいのです。この中では唯一グルタチオンだけが医薬品扱いの為配合を表示できませんが、ある種の酵母の中に含まれていることから5つの成分を全て含有したサプリメントも販売されています。巷ではビタミンEの数百倍の抗酸化力との過大宣伝がありますが、試験管の中ではどうであれ人体の中ではビタミンEが最強と考えても良いでしょう。(図6)



図7ただビタミンEは単独では一回の仕事で酸化型になってしまいその機能を終えてしまいます。ビタミンCやCoQ10が復活させることにより再度活躍の場を持つことになります。
CoQ10の詳細はスポーツ関連にも述べましたが、(図7)のような働きがあり1日必要量100㎎とされています。






細胞内のエネルギー産生工場であるミトコンドリア(図8・9)内でATPを産生する際必須の補酵素です。(図10)
図8図9図10









図11体内での生産能力は20歳より低下し25%以上低下すると生命に危険を及ぼすとされています。元来心不全治療薬として使用され、効果は立証されていますが医薬品の使用量は30㎎に制限されていますから、サプリメントとして使用する方が有利です。
ここでは抗酸化物質としてのCoQ10の優れた作用をお話ししますが(図11)








図12生体の中で最も酸化されやすい物質は脂質です。冷蔵庫からの異臭の本体は酸化された脂質が最も多い事をまず知っておいて下さい。(図12)







巷ではCoQ10がサプリメントや化粧品で氾濫していますが、脂溶性であるCoQ10の吸収率は5%程度と非常に低いことが判っています。シクロケム社が包接化に成功した現在では吸収率が18倍となり(図13・14・15)安心して成人のベースサプリメントとして使用可能になりましたが、包接化が成されていない製品は必ずしも効果を体感する事が出来ないのが実際です。
図13図14図15









最近話題のαリポ酸は単独でも素晴らしい抗酸化物質ですがCoQ10をはじめ他の4種類の抗酸化物質を還元する力があります。(図16)つまりスーパー・レスキューの役割を担っているのです。残念ながらCoQ10同様20歳をピークに体内産生は減少して行きます。ちなみに推奨1日摂取量は100mgとされ比較的多く含まれる食品であるほうれん草やレバーでも600kg摂取する必要があります。(図17)サプリメントとして摂取した方が無難ですね。活性酸素の除去はあくまで五つの成分の共同作業です。従って5種類の抗酸化物質がバランス良く配合されたものがより効率的である事がお分かり頂けると思います。
図16図17









グルタチオンは細胞内の主要抗酸化成分として認知されていますがグルタミンーシステインーグリシンのトリペプチド(アミノ酸が3個くっついた状態)として存在し細胞内のチオール環境を維持する働きのあるシステインの主要供給源としての働きが重要です。(図18・19)システインは単独で投与するよりも活性酸素発生がより少ないグルタチオンで投与した方が良いとされています。ビタミンCとシステイン配合を売り物にした医薬品が販売されていますが、少し問題があるかもしれませんね。
グルタチオンの働きとしてグルタチオン抱合による解毒作用も良く知られるところです。(図20)
図18図19図20










またお肌にとっても様々な効果が知られており、美容にも欠かせない成分である事が理解できます。(図21・22)
1日100㎎程度摂取できれば申し分ありません。
図21図22








また眼のような特殊な器官では上述の抗酸化物質よりもルテイン・ゼアキサンチン等の成分の方がより有効な場合もあります。また包接化されていないCoQ10とビタミンEを配合すると作用が失脚してしまうデータがありますのでご注意下さい。包接体CoQ10ならビタミンEでもCでもαリポ酸でもOKです。

私の愛用するサプリメントはこれらが十分に配合されたもので、通常朝・夕5粒程度摂取しています。
詳細はスポーツ関連のCoQ10の項でもかなり詳しくお話ししていますのでご参照下さい。